12・5 山本英夫袋井講演「不戦を生きる沖縄へ、日本へ」



 2019年12月5日、袋井のデンマーク牧場でフォトグラファーの山本英夫さんの講演会「不戦を生きる沖縄へ、日本へ」がもたれた。
 山本さんは、不戦とは、戦争による決着に異を唱え、殺し合いによる蛮行を許さず、軍事機密に抑えこまれることなく、国家への忠誠を求めるあり方総体を問い直し、自己を回復していくことであると規定し、不戦こそ共生と共存の環をつくりだすものと説明した。また、沖縄で、自衛隊による「島嶼防衛」の名での中国を仮想敵とする軍事拠点化がすすんでいる現状を批判した。
 さらに沖縄での、沖縄島と先島(琉球諸島)との分断の実態、宜野湾市議会での辺野古移転促進決議の問題、自衛隊への批判の力の弱さ、観光に依拠するのではない経済形成の課題、「オール沖縄」での日米安保の容認論など、さまざまな解決すべき問題点をあげた。
 そして、自衛隊による島嶼防衛による軍拡との闘いの重要性を提起し、オールジャパンの幻想にとらわれるのではなく、各地域での市民の自治による対抗と改革への運動の形成を呼びかけた。
 会場との討論では、村山内閣での安保・自衛隊・原発の容認、天皇制を認めた憲法第1章の問題、中距離ミサイルの沖縄や本土への配備計画、忖度・同調意識の問題、経験の思想化という課題など、さまざまな視点から議論がなされた。